今年に入り、訃報が飛び込んできました。
私のジャズそしてオーディオの原点ともいえる釧路のジャズ喫茶
ジスイズのマスターが亡くなりました。残念でなりません。
以下に思い出話を記載します。
北海道の片田舎・釧路で私の高校時代にジャズ喫茶「ジスイズ」が誕生しました。 高校時代は新しいもの見たさ(聴きたさ)で「ジスイズ」に行ったものです。 でもすぐに進学で上京し、そのまま東京に居ついたため「ジスイズ」は、夏休みと 冬休みの帰省した時だけ顔を出すようになりました。
しかしそんな自分にも、帰省した際「いつまで釧路に居れるの。」東京に戻る時も「また来て下さい。待っていますよ。」と声をかけくれる方でした。ある年末に帰省した際に、正月はいつから営業ですかと聞とくと、「元日から開いていますよ。」と小林マスター。「元日しか来れない方もいるので開けているんですよ。」と。
ジスイズで聴いて気に入ったアルバムを手にいれ、都内のジャズ喫茶でそのアルバムをかけてもらい「これいいですね。」と言われるのがたいへん嬉しかった。そのたび小林マスターの顔を思い浮かべていました。ジャズに関しては地域格差はないなと、強く思いました。
ジャズ喫茶のマスター は偏屈で頑固者が多いと言われますが、小林マスターにはまったくそういった印象がありません。屈託のない、本当に人に優しく思いやりのある方でした。 私が「北海道ジャズ物語」の本を記念に10冊プレゼントして売上を店に役立てて下さいというといつまでも「ありがとう。ありがとう。」と言って、年賀状にも感謝の言葉が書かれていました。
僕にジャズという音楽を教えてくれたマスター、そしてその音楽を地域の文化として根付かせることの大切さを教えてくれたマスター。どうぞ安らかに眠って下さい。そしてマスターから受け継いだ思いを、次の世代につなげることを使命として今後の人生を全うして行きます。
合掌。
札幌ジャズオーディオ倶楽部 SMALL